杉咲花 映画『片思い世界』完成報告イベント
2025年3月3日(月)に行われた、映画『片思い世界』完成報告イベントに杉咲花が出席した。
『花束みたいな恋をした』以降、ドラマだけでなく『怪物』(第76回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞)、『クレイジークルーズ』(Netflix)、最新作『ファーストキス 1ST KISS』など映画でも精力的に活動する脚本家・坂元裕二氏が新たに書き下ろした『片思い世界』が4月4日(金)より公開する。
トリプル主演の片石優花役を演じる杉咲は約1ヶ月後の公開を控えて「このお話をいただいたのが3、4年前のことで、こんなに素敵な座組に飛び込めるんだっていう喜びがありました。(今日が)久々の再会だったりもしたので、最初はちょっと緊張もしたんですけれど、素敵な方々とご一緒できて、もうすぐそれがお客様に届くのかと思うと感慨深いなと思います」とコメント。
役柄について「優花はユニークで自分のリズムを持っている人なんですけれど、色々なことに対して興味が溢れていて、まだ誰も足を踏み入れたことのないところに向かって、自ら突き進んでいくようなパワーのある人です」と語り、(相楽美咲役の)広瀬すずさん、(阿澄さくら役の)清原果耶さんとの思い出を「撮影中もセッティング中もずっと一緒に過ごしていて。撮影が終わってからもしょっちゅうご飯に行ったりして、クランクアップした頃とかは本当に毎日会っていたので、急にその日々がなくなっちゃって幻だったんじゃないかって錯覚するぐらい、ちょっと喪失感がありましたね」と振り返った。
また、自身の撮影中の気持ちを「3人で過ごす時間はとても温かい気持ちをいただいていたんですけれど、それぞれ3人(の役柄)が抱えているものって、本当に重たいものだったりして。撮影中はちゃんと表現しきれるだろうかっていうプレッシャーの中、1日1日をやっと乗り越えていくような感覚で、撮影前とかにご飯も食べられないなみたいなこともあったりして。ちぎれそうな心で過ごすような時間も結構多かったので、観ていて、苦しくなるようなシーンもあると思うんですけれど、観てくださった方々がその先で、温かいものを受け取ってくださったのかなって感じられると、ホッとすると言いますか。自分自身もそういう時間を過ごしたけれど、何よりも心の中には2人の顔があって、ぽっと小さな明かりがずっと灯り続けているような感覚があるので、そんなものを受け取ってもらえたら嬉しいなと思います」と話し、坂元裕二氏の描く脚本について「3人が仲睦まじく、たわいのない話をして過ごしているシーンが本当に淡々と描かれていて、でもその中で何か、それだけではないことが起こっているんじゃないかっていう、ざわっとさせられるような、生ぬるい風みたいなものを感じていて。今こんな空気が通った気がするみたいな、後から味わいがある感じが坂元さんの世界ならではかなって思いました」と述べた。
イベントの終盤には、坂元氏が書き下ろした劇中歌「声は風」を、本作にも出演する杉並児童合唱団が歌唱を生披露することに。杉咲は「自分も緊張してきました。皆さんがすごい背が伸びていて、ちょっと追い抜かされちゃったりとかもして。こうやって再会できて嬉しいなと思いますね」と話し、その透き通る歌声に「本当に素晴らしかったです。曲に込められた、生きることに対しての強く美しくポジティブなメッセージが本当に純度高く飛び込んできて、心が浄化されました。ありがとうございました」と笑顔を見せ、最後に「人はこう、人のいたいように(こうあってほしいと思うように)誰かを見てしまう瞬間がある気がするんですけれど、そのことに対して少し立ち止まって考えさせられるというか、穏やかなことに対してイメージしてみるっていう、そんな力をそっと分けてくれるような作品になっているんじゃないかなと思います。ぜひ劇場で楽しんでいただけると嬉しいです。今日はありがとうございました」とメッセージを送った。