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杉咲花 映画『市子』公開記念舞台挨拶



2023年12月9日(土)に行われた、映画『市子』公開記念舞台挨拶に杉咲花が出席した。



本作は、監督の戸田彬弘氏が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市⼦のために」が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された⼈気の舞台が映画化となり、2023年12月8 日(金)より全国公開した。

主演・市子役の杉咲は「こんにちは。市子を演じました杉咲花です。上映後の舞台挨拶が初めてなのですごくドキドキしているのですが、数ある作品の中からこの映画を選んで観に来てくださって本当にありがとうございます。短い時間ですがよろしくお願い致します」と挨拶。

本作が映画単独初主演となる杉咲は、公開を迎えて「嬉しいです。本当にその言葉しかないのですが昨日、監督のティーチインがあったので行ってきたのですが、終わった後にパンフレットを沢山の方々が買ってくださっていて、監督のサインをもらうために列をなしているところを見て、言葉にできないような幸福に包まれました」と話し、「観てくださった方が、市子を実在の存在のようにとらえていただいていることが嬉しいです」と笑顔を見せた。



印象的なシーンについて「(若葉竜也さん演じる)長谷川くんとのシーンは3日ぐらいで 全て取り終えてしまったんですけれど、初日に長谷川と市子が過ごしてきた時間の回想のシーンを全部撮って、そこはすごく楽しい時間だったなと思います」と振り返り、劇中に登場するプロポーズのシーンについては「自分が脚本を読んだ時に、こういうシーンになるのかなとか、ここまでいけないとダメなのではないかと自分に課してしまうタイプというか。本来なら必要のない欲だと自分は思っているのですが、だからこそものすごく緊張していたんです。でも本番になった時に初めて若葉さん演じる長谷川の顔を見て、こんな眼差しで自分のことを見つめてくれている人がいるんだなっていう気持ちで、もう胸がいっぱいになってしまって。自分でもちょっと想像もつかないようなものが湧き上がってきたシーンだったなと思います」と明かした。



また、舞台挨拶の終盤に戸田監督よりサプライズで手紙が贈られると、涙をこぼし「監督の作品に対する熱量でしたり、関わる人達を信じて一緒に映画を作っていこうとされる姿勢に、影響を受けるものがあってとても嬉しかったです。ありがとうございます」と感謝を述べ、最後は「この作品は、またいつかって簡単に願ってもすぐには生まれない作品だと思っています。手前味噌かもしれないですけれど、自分はそう信じてやまないです。それだけ異質でとてつもないエネルギーを秘めた作品を描ききった戸田監督や、何の屈託もなくそこにいる人を愛してくれる若葉竜也さんという俳優をはじめ、本当に素晴らしい制作陣の方々が集まって映画を作れたことを幸せに思っていますし、最高の経験になったなと思います。市子に関わる全ての時間が楽しすぎて、全ての時間を愛しているのでこの舞台挨拶が終わるのがすごく寂しいのですが、映画を観てくださった方が、市子っていう人のことが分かったと思ったけれど、最後に突き放されたっていう感想をくれて、自分はちょっと安堵したところがあったといいますか、それだけ人間の複雑なところにアクセスした作品だったということなんじゃないかなって思っていて。自分の喜びとか悲しみとか怒りとかを、全て人に分かってもらうことができないように、きっと自分達も他者を分かるっていうことはできなくて、分からないということを受け入れることが人と関わる“よすが”なのではないかとすら今は思っています。だからこそ想像を続けたいし、恥ずかしくても関わろうとしてみませんかって思っています。劇場を出た皆様が、友達や家族や、ご自身のすぐ隣を歩く人でしたり、遠い国に住む人のことを想像するような時間が生まれたら 嬉しいなと思います。どこまでもこの映画が羽ばたいていくことを願っています。本当にこの映画に出会ってくださってありがとうございました」とメッセージを送った。