古川雄大 ミュージカル『モーツァルト!』製作発表記者会見
2024年6月4日(火)に行われた、ミュージカル『モーツァルト!』製作発表記者会見に古川雄大が出席した。
東宝株式会社では帝劇クロージングラインナップとして8月より、ミュージカル『モーツァルト!』を上演する。「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性を重層的な作劇で“人間モーツァルト”35年の生涯に迫り、2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた本作品が、約3年ぶりに帝国劇場に帰ってくる。
主演・ヴォルフガング・モーツァルト役を務める古川は初解禁となったヴォルフガング・モーツァルトの扮装ビジュアルを見て「すごい迫力ですよね。未だかつてこんなにヴォルフガングが前面に出ていることはなかったんじゃないでしょうか。こんなにすごい迫力で圧倒されるぐらい素敵なビジュアルなので公演が楽しみです」と笑顔を見せ、続けて「ヴォルフガング役をやらせていただきます古川雄大です。本日はお集まりいただきまして本当にありがとうございます。僕自身この作品に参加するのは3回目なんですけれども、今まで色々なミュージカルをやらせていただいていく中で、この作品が特に大好きな作品の1つで魅力や、やりがいを感じております。今回も参加できて本当に幸せに思っております。初めて参加させていただいた時は、とにかくあがいてあがいてなんとかやり切ったヴォルフガングで、2回目に参加させていただいた時は、少し技術的にも余裕が出てきて自分の中で掴んだものがあったんですけれど、色々な関係者の方から『初演のほうが良かったよ』という声をいただきまして、俺の掴んだものってなんだったんだろうと(笑)お芝居ってすごく難しいなと思いながら、ヴォルフガングという役は何か足りないものを目指して追い求めている姿みたいなものが、きっと反映されて役にいきたのかなと感じております。今回は自分を追い込んでいこうかなと思っております。自分で課題を与えて攻めるポイントを沢山作っていく。とにかく追い込んで、その姿がヴォルフガングに反映されたらいいかなと思い、3回目にして自身のベストのヴォルフガングを作れるように頑張りたいと思っております。そして今回、歴代5人目のヴォルフガングを演じる京本大我くんと一緒にやらせていただくんですけれども、ルドルフとしてWキャストをやらせていただいたり、トートとしてルドルフと向き合ったりしながら色々お芝居をさせていただいて、彼の素晴らしさや魅力を分かっているので、きっと最高のヴォルフガングを作ってくれるんじゃないかなと思っております。稽古場でも沢山の刺激をいただきたいなと思っておりますし、僕も彼に刺激を与えられる存在でありたいなと思い、切磋琢磨して頑張っていきたいと思っておりますので、皆様よろしくお願い致します」とコメント。
出演が決まった際の気持ちを「またやれるんだという喜びはとても大きかったです。ただ何か成長していくために失われているものもきっとあって、それを感じた2回目だったんです。だから今回、初参加の時のフレッシュさというか、追い込まれた感じというのをどうにか出せないかなと今悩んでいる最中なんです。この役はきっとフレッシュな若い人が登り詰めるためにやっていく役だと思うんですけれど、まだやりたい、ずっとやっていたいんです。またやれるんだという喜びと共に自己ベストを作りたいなという決意を持っています」と語り、京本さんの印象を「芸能界にいると美しい人、かっこいい人をいっぱい見てきたんですけれど、美しいですよね。その美しい容姿とは真逆に、彼はすごく努力家でストイックな一面があって。もちろん同じ役をやらせていただく中で感じることもありましたし、彼が主演を務めている作品を観た時に、改めて彼の成長というか、彼が見えないところでどれだけ努力しているかっていうのがステージ上から伝わってきたので、彼の努力を尊敬しています」と絶賛した。
また、役作りについて「天才を描くってすごく難しいと思うんですけれど、ヴォルフガングは音楽以外全くダメな人なんです。直感で動いてしまう人で、何も考えず行動してしまうのでそこが彼の面白い魅力でもあり、ダメなところでもあって。また天真爛漫の部分もあって父との関係性だったり、コロレドとの対立だったり、それぞれの役との関係性がしっかり描かれていくので、自分もその関係性をしっかり描きながら、普通のアプローチとは違う自分で課題を課していくというか、自分をとにかく追い込んで、役だけでなく、古川雄大自身も追い込んでいくことで、初演の時のような切羽詰まった感じになるのではないかと。怖いですし、ちょっと妥協したくなりますけれど、そのぐらいしないとやっぱり良いものはできないんじゃないかなと思っているので、とにかく甘えずにいけたらと思っております」と話し、自身をどのように追い込むのかという質問に「自分の中でプランは何個かあって。歌の攻めるポイントというのを何箇所か作っていまして、それが多分今までにはないものになると思うのですが、ただそれをやる実力がまだついていない。そこをどう持っていこうかなと悩んでいたりはするのですが、(追い込む部分は)歌の部分が多いです。あとはお芝居の部分では、プランを立ててやってしまうことが多かったりするんですけれども、今回も(レオポルト役の)市村正親さんもいらっしゃいますし、(コロレド大司教役の)山口祐一郎さんもまたやってくださるということで、もう安心して思う存分、むしろ何も考えずにやってみようかなと思うぐらい、ちょっと方向性を変えていこうかなと思っています」と明かした。
帝国劇場の思い出については「僕は2012年に『エリザベート』のルドルフ役で初めて立たせていただいて、そこが帝劇との出会いです。『エリザベート』に出させていただいたことで、トートという役に憧れを持って目標ができたんです。ただ、それは自分の目指せるところじゃないなと思っていたので誰にも言えなかったのですが、密かに思っていました。ありがたいことに帝劇に何度も立たせていただいて、その中で沢山成長させていただいて、なんとかたどり着いたので、自分を育てていただいた場所だなと思っていて。とても恩を感じています」と振り返り、最後は「今回5代目のヴォルフガング・モーツァルトが誕生して、他にもキャストが変わっています。新しく変わった『モーツァルト!』の座組なので、今まで愛してくださった方はそこでの変化を感じていただけたらいいなと思いますし、このカンパニーならではの色をお届けできるように頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と力強くメッセージを送った。